笑顔と大きな声
2008-05-17


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お茶の先生が、歯医者さんに行きたいと
いうので車で送迎した。

「あなたに釜をあげるわ…」と、ずい分まえから
話が出ていて、今朝お迎えに上がったときに、
ご主人が車に乗せてくださった。

こういうものをいただくと、先生も少しずつ
整理をされているのだと、寂しくなる。
「せっかく揃えて大事になさってたのに」と
ご主人に言うと、「いいんだよ、もう…ね…」と
うつむいて多くをおっしゃらない。

歯科での治療はすぐにすんで、またお送りした。
私が車に乗り込むのを、ご主人が見送ってくださる。
「涙が出ますよ」と言いながら、寂しそうな悲しそうな
お顔をなさるのには、こちらもまいってしまう。

去年のお正月は、お弟子もみんなでにぎやかに
稽古始をしたんだった。
その日、ご主人はお友だちと鴨料理を食べに行くと
いって、私たちで点てたお茶を一服召し上がって
出かけた。その出先で具合が悪くなって即入院と
なり、先生はご主人のいらっしゃらない家に一人では
いられないと言って、お嬢さんの所へ行くことになった。

ご主人の入院は半年以上もかかって、8月にやっと
退院だった。その後、去年の暮れに今度は先生が
大腿骨を骨折するという大怪我をなさり、それが
治ってどうにか落ち着いたところ。

先生からこうした用事で電話がかかるのは、月に
2〜3回というところ。そのたび、大げさなほどの
笑顔と笑い声でお目にかかる。耳も少し遠くなって
きたので、話し声も大きくゆっくりな口調になる。
先生ご夫妻は喜んで迎えてくれ、重宝がってくれる
けれど、私の大きな声は、実は私自身のためのもの
なのだと気付く。沈みがちな気持ちを奮い立たせる
ためには、やっぱり笑顔と大きな声なのだ。

参考までに↓
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[考えさせられたこと]
[お茶]

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