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バイト先にて…
主任女史がＰＣの前で何やら唸っている。彼女は業務用の
ソフトは扱えるのだけど、フツーのＷｏｒｄ やＥｘｃｅｌ はおぼつかない。
こちらから助け舟を出したものかどうか、プライドの高い人だけに、
声を掛けるにも気を遣う。

ややあって、小さな声が聞こえてきた。「ＳＯＳです…」って。
見れば、Ｗｏｒｄ で提出用の文書を作っているらしい。

「ここをあぁして、こうして…で、もうちょっと見場よくなりませんかね？」
というのがお望み。行を寄せたりフォントを変えればよかったので、
アタシでも役に立てた。この場はメデタシ、メデタシ。

私の後ろからディスプレイをのぞきこみ、「えっ！☆印って、そうやって
出るんですかぁ？え〜〜〜っ！！！」と叫ぶ。
彼女は今まで、できあがった文書にテプラで作った「☆」のシールを
貼り付けていたのだそう。アタシはそっちの方が驚くよ！

で、「やっぱり教室、行くべきですかねぇ？」と言うので、力を込めて
言ってやる。「ハイ、一日も早く…」。

とっても保守的な人で、最初の一歩がなかなか踏み出せないらしい。
通勤も、せっかく免許を持っているのに片道1時間半近くもかけて
バス−電車−バスと乗り継いで来る。車なら30分見ればいいのに。
「時間がもったいないよね…」と、自分でも言っている。

先日は美容院で初めてカラーリングをしたそうだ。
白髪が目立たないように、真っ黒に！
気付いてほしかったらしいのだが、元々が黒かったから、
さっぱりわからんかった。

あ、こうして書くとどんなオバサマ？と思うかもしれないけど、
彼女は私より三つもお若いのよ、念のため。